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発達障害の教科書TEXTBOOK

余暇を楽しむためや危険を回避するためのライフスキル・トレーニングとは

1.危険を回避することや余暇を楽しむことは安定した生活へ繋がる


詐欺や事件に巻き込まれたという報道は、メディアでも連日流れていますが、危険を回避するスキルは非常に大切で被害者側にも加害者側にもならないことが大切です。発達障害がある子は警戒心が弱いことが多く、危険を回避するスキルを習得しておかなければ、何か事件に巻き込まれてしまったり、詐欺にあうことも加担してしまうこともあります。人のことを素直に信じてしまうために、言われたことをそのまま行ってしまうことがありますので、しっかりとトレーニングやサポートを行っていきライフスキルを身につけていきましょう。

また、休日を有意義に過ごすことも充実した生活を送るためには大切です。学生生活では集団行動が苦手という背景から、発達障害がある子はどうしても休み時間を上手く過ごせないことがあります。対人関係のソーシャルスキルを高めることも大切ですが、無理に人に合わせて余暇を過ごすことがストレスになる場合には自分に最適な場所や内容で過ごすことが大切です。

 

2、余暇を楽しむためのライフスキル・トレーニングとは

自分の自由時間を楽しむことは、充実した生活を送る上で大切になります。発達障害の子供は学生生活を送る中で、友達とうまく遊ぶことが出来なかったり、一人で遊ぶ時間が多くなりがちです。上手く付き合うことが出来ずトラブルに発展してしまうことが多かったり、言い合いになることがあり徐々にみんなで遊ぶ輪に誘われなくなったりして、上手く付き合うことができなくなることがあります。

自由時間に一人でいることが多い場合がありますが、中には一人の時間がある方が安定していることもありますので、無理に一緒に遊ぶことを強要しないようにしましょう。発達障害の子供はマイペースで自分のペースを崩すことが難しくなります。友達と自由時間を過ごすにしても自分のペースを崩さずに行動したいと思うために、ほどよく周りに合わせて交流したり会話に入ったりすることが中々出来ません。しかし、余暇ということは友達と一緒に遊ぶことだけが充実した余暇ではありません。友達と一緒に遊ぶことも大切ですが、一人の時間を大切にすることも忘れないようにしましょう。

 

■余暇を楽しむためのライフスキル・トレーニング

 

①子供がどのような遊びや活動が好きか観察する

日ごろから子供が興味を持っているものや集中して遊んでいるものを探しましょう。好きな遊びや活動は人それぞれ異なりますが、発達障害の特性によっては乗り物が好きな子が多くなりやすいものもあります。しかし、固執した考えで探すのではなく、子供の様子をしっかりと観察しましょう。時には子供本人にどんな遊びが好きか、一人でいるのが好きか周りの友達と一緒に遊ぶのが好きかを聞いてみるのも良いでしょう。

 

②障害の特性と好きなことを併せて余暇を考えていく

日常生活の中で好きな遊びなどを発見出来たら、余暇の活動として組み込めるものかを考えていきましょう。発達障害の特性と活動を併せて考え、経済的な負担が軽く周りの人に迷惑をかけないことをリストアップしていきます。

 

③活動内容や居場所を決める

その子本人にあった活動を見つけた場合には、内容や居場所を確認していきます。余暇に適した場所を決めておくことで、本人の自由時間の時に安心して過ごす場所が出来、混乱を少なくすることが出来ます。また、それと共に休む時間や1日の中の余暇の割合などを決めておきスケジュール表にしてわかりやすく示しましょう。

 

1つのの余暇を楽しく過ごすことが出来たらバリエーションを増やしていく

余暇を楽しく過ごすことが出来るようになれば、そのバリエーションを徐々に増やしていきましょう。1つの活動のみの余暇ではなく、支援学級や運動などの活動も取り入れていくことでより刺激的に充実した時間を過ごすことが出来るようになります。

 

このように、余暇の過ごし方のライフスキル・トレーニングとしては、本人にとってどんな活動が充実した時間を過ごすことが出来るかを考えた上で、場所や時間、内容を考えていくことが大切です。友達と一緒に遊ぶ場合であれば、先ほど紹介した対人関係のライフスキルを合わせていくことで、余暇を過ごすことが出来るようになりますし、それぞれのライフスキルを身につけていくことが出来ます。

余暇のトレーニングは親や周りの大人も一緒になって出来ることがありますので、一緒に余暇を過ごした上でリストアップするのもおすすめの方法です。

 

5、地域参加のライフスキル・トレーニングとは

学童期や思春期は主に活動の場が学校になりますので、家庭と学校から支援を受けて活動に参加が出来るようになっていきます。周りからの理解も深くなる学生生活や家庭内では自分らしく過ごすことが出来るものの、他の地域では活動拠点がないという子がよくいます。家庭内や学校で自分らしく安心して過ごすことが出来ることは素晴らしいことですが、社会に出た時のことを考えると学校や家庭の場所以外でも楽しく活動できる場を持っておきたいです。地域での活動する場を持っていないと、部屋にこもりっきりでテレビやインターネット、ゲームなどを過ごすだけになってしまうこともありますので、積極的に地域参加出来るようにライフスキル・トレーニングを行っていきましょう。

発達障害の子が地域参加のライフスキルが不足している大きな原因は、やはり障害の特性を理解されていないことから起きる対人関係のトラブルです。活動に参加したものの、わざとトラブルになるような言葉を使ったり手が出てしまったり、みんなが協力している作業であっても自分の好きなことをしてしまうために『〇〇がいるとトラブルが起きてしまう』と誤解されがちです。

地域参加のライフスキル・トレーニングとしては、まずは発達障害についてしっかりと理解している人や支援機関をベースに広げていきましょう。そしてそこから、どんどん理解者を増やしていきます。今は以前に比べると多くの施設で発達障害の特性についての理解が増えてきています。ですので、きちんと発達障害についての特性を説明すると多くの施設が協力してくれるところがあります。最初は発達障害支援センターや療育センターの地域活動に参加し、そこから発達障害について理解のあるお店や施設を紹介してもらい地域活動への参加のトレーニングを行いましょう。

この場合も他のトレーニングと同様で、強制にしてはいけません。発達障害の特性は多くの症状として当てはまりますが、特徴的な特性ではなく当てはまらない場合もありますので、必ず子供の様子をしっかりと観察してからトレーニングやサポートを行っていきましょう。

また、発達障害の子供の特性や苦手なこと、得意なことなどをノートに書いて持たせるのも良い方法です。周りからするとこの子本人がどのような特性があって、どんなサポートが必要なのかを具体的に書き出しておくことで、周囲の理解を深めることが出来ます。

 

6、ルールを守り危険を回避するライフスキル・トレーニングとは

15歳までは家と学校の周辺地域が主な活動場所でしたが、15歳以上になると自分で好きな場所へ行ったり、1人で行動するなど行動範囲が一気に広がっていきます。電車を使って遠くの学校まで行っていることもあり、親の目の届かないところへ進んでいってしまいます。そうなると、トラブルが起きたといしても親や周囲の大人には気が付かないことが出てきます。また、15歳以上になると法的なトラブルに巻き込まれたり、金銭問題に発展するリスクがありま

す。口車に乗せられて被害者になったり、地域参加のライフスキルが不足しているために大きなトラブルになる可能性があります。また、基本的な経験が不足しているために、料金の支払いや事務手続きなどを自分で行うようになると、支払いを忘れてしまったりそもそも支払い方法がわからないというケースもあります。

様々な危険が今は手に届く場所にありますので、小さい時からルールを守り危険を回避するライフスキルをトレーニングにしていきましょう。

発達障害がある子は一般的に警戒心そのものが弱い傾向があります。多くの子は成長していくときに多くの情報から何が危ないか、人としてしてはいけないことは何かなど常識的なルールを学んでいきます。

しかし、発達障害の子はルールを自然と理解することも人を良い意味で警戒することも苦手な事が多いために人にだまされてしまったり、熟考して判断出来ないことがあります。法的なトラブルや危険を避けるためにも、成長過程の中で何が危険でリスクがあるのかを教えていくことが大切です。

ですが、詐欺などの悪質な業者はソーシャルワークに長けていますので、中々対抗することは難しく口車に乗せられてしまう可能性があります。

そうならないためにも、まずは苦手な事や危険な事を避けられるようにライフスキルを鍛えていきましょう。

 

■危険やトラブルから身を守るためのライフスキル・トレーニング例

①まずは様々なケースの危険やトラブルを説明していく

日常生活には多くの危険があります。親切で協力してくれることが多いですが、中には発達障害があることを知ると悪い方へ利用しようとする人も少なからずいます。そういった場合のリスクや危険以外にも、詐欺や勧誘、痴漢などの冤罪など多くの危険があります。多くの危険がありますが、どんな状況や誘いが危険があるのかを具体的に示していきましょう。被害者になる可能性があるだけでなく、男女間の距離や触れ方も一歩間違えれば加害者になる危険もあるということも合わせて伝えていきます。この場合も文字や絵、写真などを合わせて具体例としてマニュアル化しトレーニングに使用すると効果的です。

 

 

②発達障害の特性によって苦手なことを把握していく

発達障害によって特性が異なりますが、特に法的なトラブルに巻き込まれやしいのが言葉が上手く出てこず、言いくるめられてしまう場合です。この場合には自分はしていないことや、拒否したいことであっても言葉が上手く出てこずそのまま流されてしまう可能性があります。こういった苦手な特性を周りの大人や親がしっかりと把握し、苦手な事が絡んでくる危険やトラブルに合わないようにサポートしていきましょう。言葉が上手く出てこない場合だと、勧誘にあってしまうとそのまま契約をしてしまい大金を支払わなければならなくなる危険がありますので、まずは勧誘らしい人にあったら先に断るように伝えます。この場合も『勧誘はお断りしています』『わからないので、お母さん(お父あさん)に変わります』と断り方を示していきましょう。

また外出先であれば、夜何時以降は危険な場所や勧誘が多い場所などは避けるように伝えるのも1つの方法です。まずは苦手な事に出くわさないスキルを身につけていきましょう。

 

③足りない部分は家族や理解者がサポートを

しかし、どうしても発達障害の子1人で全ての危険を回避するのは難しくなります。ですので、本人の力だけでは予防しきれない場合には家族や理解者がサポートを行うことが大切です。一人暮らしをしていたり、ある程度成長して行動範囲が広くなるとその分トラブルに合う可能性も高くなります。そういった時にも、子供と定期的に連絡をとって近況を報告しあったり問題が起きていないかを確認していきましょう。

 

このように、危険やトラブルから回避するためには小さい時からトレーニングを積んでいくことで、自己理解をすることが出来るようになりライフスキルとして習得できるようになります。しかし、発達障害があると十分に注意していてもトラブルに巻き込まれてしまう場合がありますので、親や周囲の大人はしっかりと連絡を取ったり近況を報告しあうことで問題が起きていないかを確認しサポートすることが大切です。

4、まとめ

危険を回避するライフスキルや余暇を楽しむライフスキルは、そのまま自然とルールとして身についていくだろうと思われがちですが、自然にルールを身につけることが難しい場合には長い時間をかけて習得することが望ましいです。

特に危険から身を守るライフスキルはしっかりと身につけておくことで、一人暮らしをした時に重要になります。ライフスキルは安定した生活を送るために必要になるスキルですので、本人に何のスキルが不足しているかを把握した上でトレーニングやサポートを行っていきましょう。

社会福祉士・保育士 垣本祐作

この記事を書いた人
社会福祉士・保育士 垣本祐作

【所属】
株式会社ドットライン 代表取締役兼ドットライングループCEO
一般社団法人 全国介護事業者連盟 千葉県支部 支部長/関東支部 副支部長
一般社団法人 サービス管理責任者協会 理事
社会福祉法人 和心会 理事

【資格】
社会福祉士、保育士、児童発達支援管理責任者、介護福祉士、サービス管理責任者、宅地建物取引主任者、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具専門相談員

【略歴】
千葉市立稲毛高校、日本社会事業大学 社会福祉学部卒。慶應義塾大学法学部(通信課程)学士入学。
パソナグループ 株式会社ベネフィットワン(東証一部上場)にて、法人営業部として勤務後、ボートレーサー(競艇選手)試験に合格し、ボートレーサー養成所(108期養成員)入所。
退所後、起業。日本初のボートレーサー試験予備校を設立し、合格者8割以上のシェア達成。マーケティング事業等を経て、2011年 株式会社ドットライン創業。2014年より医療・介護・福祉・保育事業開始。

【メディア実績】
日本経済新聞、日経BizGate、千葉テレビ、産経新聞、東京新聞、高齢者住宅新聞など多数

>>垣本祐作プロフィールとメッセージを読む

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