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発達障害の教科書TEXTBOOK

子どものコミュニケーション能力の発達を理解しよう!

1、赤ちゃんの頃からコミュニケーション能力は備わっている

私たちが生活をしていく上で必要になるコミュニケーション能力。コミュニケーションと聞くと言葉によるやりとりを想像することが多いですが、実際は言葉だけがコミュニケーションの手段ではありません。

私たちは赤ちゃんの時からの長い成長の中で、学校や周りの大人から言葉でコミュニケーションを取る方法を学びます。自分の感じている事や思ったことを言葉にして相手に伝えることを学んでいきますが、実際に日常生活を振り返ってみると言葉によるコミュニケーションだけではないことがわかります。気の知れた仲の人とであれば『あそこにある、あれを取って』という曖昧な言葉で意思疎通を図ることが出来ますし、表情や声色で気持ちを考えることが出来ます。このように『あれ』や『それ』といった様に言葉が正確ではなくでも、意思疎通をはかりコミュニケーションが成立していることがわかります。

特に子どもや赤ちゃんの場合、言葉が出ていないですが親とのコミュニケーションをとることが出来ています。お母さんは子供が泣いている時になぜ泣いているかをわかることが出来るということも言われますが、生まれてから一緒に長い時間を共に過ごしていくことで、二人が言葉がなくてもコミュニケーションを取ることが出来るようになったということになります。元々生まれたばかりの赤ちゃんは無様式知覚と言われ、感覚は分けて捉えられておらず五感とそれ以外の情報が全て一緒になっていると考えられています。しかし、その後赤ちゃんは言葉ではないコミュニケーションをい取る力を育んでいき、私たちと言葉以外でコミュニケーションをはかるようになります。

しかし、赤ちゃんは言葉でコミュニケーションを図るのではないので、親や周りの大人が本能的に子供がして欲しいことや訴えていることを考えるようになります。この時期は本能的子育てが良いとされているように、言葉で表現されていない場合には言葉に頼らず、自分の本能に従って子供がして欲しい事を考えることが適していると言われています。子どもにとって言葉によるコミュニケーションは成長をしていく上で学ぶだけで、赤ちゃんなど言葉を上手く使うことが出来ない場合でもしっかりとコミュニケーションをはかることは出来るということがわかります。

2、授乳・ミルクの時間からコミュニケーションを体験していく

目は口ほどにものをいうと言いますが、先ほど紹介したように赤ちゃんは言葉によるコミュニケーションではなく、表情の変化や泣き声でコミュニケーションを取るようになります。言葉によるコミュニケーションがなくても、私たちは一緒にコミュニケーションを取ることが出来るのです。コミュニケーションを取る方法として、赤ちゃんが最初に行うのが表情の変化と泣き声です。

しかし、赤ちゃんは生まれたばかりだと目はほとんど見えていません。お母さんのお腹の中は暗く物が見える状態ではないので、視細胞が発達しないまま生まれてきます。ですので、赤ちゃんは生まれてきてからどんどん光の世界を体験していき視細胞を発達させていきます。生後2か月にもなると、どんどん視力は成長していき多くの景色が見えるようになり、それと同時に自分がいる世界を認識出来るようになります。ベビーベッドやメリー、周りの景色などたくさんのものを見て情報を得ていきますが、中でも赤ちゃんにとって最も刺激があり楽しいと感じるのが人の表情です。笑ったり怒ったり変な顔をしたり…赤ちゃんを見つめる時、自然と私たちはたくさんの表情をころころと変えていきます。赤ちゃんと触れ合っている時は意図的ですが自然と表情が豊かになりますよね。この親や周りの大人が替えていく表情こそが赤ちゃんにとって、一番刺激的なものと言えます。

私たちは赤ちゃんが泣いていたり、笑顔がない時には、原因を考えるよりも先に自分の表情に変化をつけて赤ちゃんを笑わせようとしますが、この自然に赤ちゃんに対応する能力が先ほど紹介した本能的子育てに当てはまります。

しかし、本能的子育てを行うためには、自分自身がその体験を昔にしており記憶の奥底にこの体験が残っていることがポイントになります。ですので、このように自分が赤ちゃんの時に誰かがあやしてくれていなければ、自分も他の赤ちゃんに表情を変えてあやすことは出来ません。しかし、成長をしていく過程の中でどこかで赤ちゃんに触れ合う機会があれば、どのように赤ちゃんに接したら良いかを少なからず学ぶことが出来ます。ですので、自分が子育てを行う前に赤ちゃんと触れ合う機会があれば、自然と赤ちゃんをあやすことが出来るようになるのです。

このように、たくさんの表情を吸収しコミュニケーションを取ることを覚えてきた赤ちゃんは、誰かの顔が見えると表情を変えたりして、コミュニケーションを取えろうとします。しかし、表情を変えても相手が何の反応がなければ、赤ちゃんはぷいっと違う方向を向いてしまいます。これはコミュニケーションをとることを諦めたと考えられていますが、それと同時にずっと変化がないものを見つめていることが難しいためとも言われています。赤ちゃんだけでなく、私たちも変化がないものをずっと眺めているのは、非常に苦痛と感じてしまいます。赤ちゃんも同様で、表情に変化がない人を眺めていることに疲れてしまうために、他に楽しいものはないかと探すようになります。私たちの表情は、いつもと変わらない日常生活の中でも幾度となく変化しています。話しをしている時、本を読んでいる時、ごはんを食べている時と小さな変化であっても少しずつ表情は変わります。赤ちゃんはたくさんの私たちの表情を見て、コミュニケーションをとるための表情を知り体験していくことで、自分の表情をコミュニケーションの手段として使うようになります。その上、表情の意味を自然と吸収していき相手の表情を読み取ることが出来るようになっていくのです。

特に赤ちゃんを育てていく上で、ミルクや授乳は大きなウェイトを占めていきますが、この時間は赤ちゃんにとって栄養を補うための時間だけでなく、お母さんやお父さんとのコミュニケーションをはかる大切な時間になります。しっかりと飲むだけでなく、口の中で遊んだりして親子のコミュニケーションを楽しみながら、自分の体験として体の中に記憶しためていきます。あまり赤ちゃんの顔を見ないままの授乳やミルクであれば、赤ちゃんとの交流を自ら放棄していることとなり、赤ちゃんにとってコミュニケーションのツールが少なくなってしまっています。授乳の時間は赤ちゃんにとって、とても大きなコミュニケーションの時間です。この誰かに自分の顔を見つめてもうことがコミュニケーションの第一歩になります。

3、微笑みが一番最初の他人との交流へ繋がり行動が変化する

たくさんの表情を体験し吸収していった赤ちゃんは、表情で交流をはかるようになります。特に笑顔は赤ちゃんだけでなく、私たちも幸せな気持ちにしてくれますよね。赤ちゃんを見つめ笑顔になってくれた時に、赤ちゃんから笑顔が返ってくると暖かい気持ちに包まれます。これは、赤ちゃんがコミュニケーションをとることを覚え交流をはかれるように発達したことがわかります。赤ちゃんが顔をじっと見つめ表情を変化させたら、コミュニケーションの第一歩を踏み出したことになります。しかし、中には中々じっと顔を見てくれなかったり笑顔を見せても笑顔で返してくれない赤ちゃんもいます。この場合には、親の表情によるコミュニケーションが足りなかったことも考えられますが、まだ表情を吸収するというところまで成長が進んでいないということも大きな理由として考えられます。

最初に述べたように、子どもの発達には必ずばらつきがあるので子どもによって発達速度は異なり、少し遅くに交流をはかれるようになる可能性もあります。

子どもが微笑みで交流をはかることが出来るようになったら、子供は親や身近な人だけでなく買い物の途中にすれ違った人や、近所へ散歩をした時にすれ違った人にいたるまでたくさんの人と笑顔で交流をはかっていきます。親が気が付いている時も気が付いていない時も、赤ちゃんは自然と周りの交流をしていき体験として記憶していきます。赤ちゃんの笑顔は一般的に周りの人を笑顔にする力を持っています。もちろん『全ての人に』とは言い切れませんが、多くの人は赤ちゃんの笑顔を見ると幸せで温かい気持ちになるでしょう。赤ちゃんが笑顔でコミュニケーションや交流を図るようになるまでは多くの体験をしています。周りの人が自分に笑顔を向けた時に笑顔で返すとさらにその人の笑顔が大きくなった、というようにたくさんの体験を通して笑顔で交流をすることを学んでいくのです。ですので、笑顔や微笑みは赤ちゃんにとって、最初の自分で身につけたコミュニケーション方法になるのです。

 

4、人見知りは違いを理解してきた証拠

表情によるコミュニケーションを身につけると、自分以外の人との気持ちを通じあえるようになっていきます。交流がどんどんうんまくなっていき、笑顔だけでなく微妙な表情までも作ることが出来るようになります。同じ表情が出来るようになるということは、立派な交流になり相手と同じ気持ちになることが出来たということです。

私たちは意識して表情を作ることはあまりありません。写真を撮るときや無理して笑顔を作ることはあっても、日常生活の中では意識して表情を作ることはなく、楽しい話の時には自然と笑顔になり、悲しい出来事があれば悲しみの顔になります。表情は言葉をが生まれる以前に身につけていくもので、誰かに表情の作り方を教えることはないでしょう。表情でコミュニケーションを取ることが出来るようになるためには、赤ちゃんの時からたくさんの表情に触れることが大切です。

たくさんの表情を吸収しどんどん高度なコミュニケーションを理解していく赤ちゃんですが、一番ポイントとして見るのが目です。私たちも、初対面の相手の顔を見る時に一番よく見るのは口ではなく目になります。一見、口だと思われがちですが、私たちは目から実にたくさんの情報を受け取ります。目でコミュニケーションをはかるようになるために、たくさんの通じる体験を積んでいきますが、それと同時に自分にとって1番の理解者を知るようになります。そして、初めて見る顔の人にはどのように交流して良いのかわからずに泣き出してしまいます。これが人見知りのスタートです。人見知りの多くは目があった時に泣き出してしまします。これは、目からその人に関する情報を汲み取ったもののコミュニケーション方法がわからないために泣いていると考えられます。となると、赤ちゃんは表情と顔という、たった2つの情報から相手を区別していることになります。

以前であれば知らない人やあまり面識がない人に抱かれていても、笑っていることがありましたが、たくさんの人と表情による交流をはかっていったために、目を合わせただけでほんの小さな違いにも気が付くことが出来るようになり、一人一人の交流の仕方の違いがわかるまで発達していったことになります。

 

5、情報を共有し体験を通して分かり合いへ

目を通して交流を深めていき、一人一人との交流の違いに戸惑ってしまい泣くことが多い人見知りの時期に差し掛かると、赤ちゃんはまたさらに一歩成長します。

私たちは赤ちゃんと一緒に交流している時に、赤ちゃんが違う方向を見ると自然と同じ方向を見てしまいますよね。今まで一緒に笑っていたのに、違う方を見るとその方向には何があるのだろうかと考え、同じ方向を無意識の内に確認します。

これと同じように、赤ちゃんも通じる体験を多く体験し表情が発達していくと、私たちが見た方向に視線を向けるようになっていきます。この行動は表情の交流を介して同じ情報を共有できるように発達したということの現れです。同じ情報を共有できるようになったということは、さらに細かい交流を取ることが出来るようになったということで、言葉がわかっていなくてもある程度の思いや指示を伝えることが出来るようになっていきます。そして、この情報の共有に言葉をつけることでさらなるコミュニケーションに繋がっていきます。

言葉でコミュニケーションをとっているように感じていますが、言葉を理解する前にコミュニケーションが成立しているからこそ、その言葉を覚えることが出来るようになります。赤ちゃんと親や近くの人が交流がしっかり行われ、コミュニケーションをとることが出来るようになり通じ合うことが出来ているからこそ、そこに言葉が添えられた時にしっかりと言葉の意味も合わせて赤ちゃんは吸収することが出来ます。お互いを見つめ合い表情を通じて情報を共有し、体験を共有したために分かり合えるようになります。逆に、赤ちゃんと情報の共有を行えていないと、同じ体験を行うことは出来ず、結果コミュニケーションを取ることが出来にくくなります。視覚から得る情報や共有することが出来るということは、コミュニケーション能力の発達にかかせないものになります。

 

6、親を安全基地として認識していく

表情で交流をするようになり、たくさんのコミュニケーションをとることが出来るようになったら、赤ちゃんと人との繋がりが出来ていきます。繋がりが出来ると相手を信頼することが出来るようになり安心できる場所になります。

親を安全基地とよく表現されますが、赤ちゃんにとって親は自分を守ってくれる上に不安になった時に自分が帰れる場所として認識することを指します。

しっかりと安全基地があると、知らない場所で最初は短い時間しか離れることが出来ませんが、徐々に長い時間離れることが出来るようになります。もしも離れた先で不安になることがあれば、安全基地にすぐに帰ることが出来、安心を得ることが出来ると理解しているためです。

安心できる場所があるということは非常に大切で、大人になっても安心できる場所がなければ自分の力を最大限に発揮することが出来ません。安心できる場所があるからこそ、自分のテリトリーよりも外に出て冒険してみようという思いが湧き上がってきます。安心が育っていけばいくほど、助けを求めることが減っていき自分を成長させるようになります。

7、まとめ

子供が健やかに成長するためには、表情によるコミュニケーションがかかせません。言葉を習得してからコミュニケーシをとることが出来るようになったと思われがちですが、実際には言葉を習得する前には表情でコミュニケーションを取ることが出来るようになっており、この表情によるコミュニケーシがなければ言葉をすんなりと習得することが難しくなります、逆にしっかりと表情による交流がはかれていたら、言葉の吸収もしやすくなりさらにコミュニケーシを取ることが出来るようになります。

しかし、あくまでも発達は個人差が大きくばらつきがあります。表情によるコミュニケーシを取ることが出来ており、発達障害がなくても言葉が中々出てこないこともあります。発達にはばらつきがあることをしっかりと理解した上で、赤ちゃんの時からしっかりと見つめ、たくさんの表情を伝えていくことが大切です。

 

社会福祉士・児童発達支援管理責任者 垣本祐作

この記事を書いた人
社会福祉士・児童発達支援管理責任者 垣本祐作

【所属】
株式会社ドットライン 代表取締役兼ドットライングループCEO
一般社団法人 全国介護事業者連盟 千葉県支部 支部長/関東支部 副支部長
一般社団法人 サービス管理責任者協会 理事
社会福祉法人 和心会 理事

【資格】
社会福祉士、児童発達支援管理責任者、介護福祉士、サービス管理責任者、宅地建物取引主任者、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具専門相談員

【略歴】
千葉市立稲毛高校、日本社会事業大学 社会福祉学部卒。慶應義塾大学法学部(通信課程)学士入学。
パソナグループ 株式会社ベネフィットワン(東証一部上場)にて、法人営業部として勤務後、ボートレーサー(競艇選手)試験に合格し、ボートレーサー養成所(108期養成員)入所。
退所後、起業。日本初のボートレーサー試験予備校を設立し、合格者8割以上のシェア達成。マーケティング事業等を経て、2011年 株式会社ドットライン創業。2014年より医療・介護・福祉・保育事業開始。

【メディア実績】
日本経済新聞、日経BizGate、千葉テレビ、産経新聞、東京新聞、高齢者住宅新聞など多数

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