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発達障害の教科書TEXTBOOK

発達障害の子供に必要なライフスキル・トレーニングとは?

1、発達障害の子は日常生活に様々なつまづきがある

見えない障害と言われる発達障害。気持ちの切り替えが難しかったり、衝動的な行動が見られたりなど、障害の内容が心理的や行動的に現れてくるものの、周囲の人からは外見で障害の有無が判断出来ません。そのために、障害があることに気が付いてもらえず、『性格が変わっている子』『わがままな子』『空気が読めない子』という風に見られてしまい理解してもらうことが出来にくくなります。また、『親のしつけが出来ていないから』『甘やかしていたから』というように考えられてしまうことも多く、本人だけでなく家庭全体が周囲から孤立しがちになってしまうことがあります。

そもそも発達障害は性格や育て方が関係していると考えられがちですが、全く異なります。発達障害は脳や神経伝達が先天的に何らかの原因があることで機能障害を起こしてしまうために、特徴ある行動や言動が見られます。ですので、しつけや親が原因で発達障害が起こるのではありません。現代の医療では誰も予防することも出来ませんし、手術などの治療で治るという障害でもないのです。

また発達障害は人によって現れてくる特徴に差が大きくあり、『顕著な特徴がある=発達障害』という明確な境界線はありません。行動面に大きく表れる人もいれば、全く周りからはわからないものの生きづらさを感じてしまう子もいます。特性があっても周囲に理解してもらわれにくいので、障害と理解してもらえず辛い学生生活や社会生活を余儀なくされている人が多くいます。

発達障害の子は対人関係に不安や悩みを抱えることが多く、集団行動が苦手です。友達に不用意に傷つくことを言ってしまったり、衝動的に手が出てしまったりしますが、本人は悪意がなく言ってはいけないことだと理解していますが、言いたい衝動を抑えることが出来ません。このように対人関係では悩むことが多いので、家族や関係者は子供が集団の中で孤立しないように、小さい時から対人関係のサポートは行っていることが多いです。

しかし、実際には対人関係で必要になるソーシャルスキルだけでなく、生活面(ライフスキル)でのサポートも必要不可欠です。発達障害の子は睡眠が一定でなく生活リズムが崩れてしまったり、金銭感覚の乏しさが改善されにくく、そのまま成長してしまう可能性がありますので、ライフスキルをしっかりと改善していくことで将来充実した生活を送ることが出来ます。

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2、ライフスキル・トレーニングは15歳までにスタートしよう!

ソーシャルスキルに比べサポートされにくいライフスキルですが、ライフスキルを育てていかないと基本的な生活面の不足や金銭面でのトラブルに合うことがあります。私たちは成長していくときに集団生活や、家族と暮らしていく中で一般的な常識やルール、生活習慣を自然に身につけていきます。しかし、発達障害の子は自然に周りのルールを身に着けることが簡単ではありません。

中学を卒業するまでは、何かと家族がライフスキルをサポートしていくことが出来ますが、中学を卒業して高校へ進学すると一人での活動や社会的な活動に参加する機会も増えていきますので、金銭面や生活面でのトラブルにあいやすくなります。

小学校の時には家族も対人関係を注意してみたり、生活面も何かとサポートしてくれることが多いですが、中学校に進学すると周りのみんなは身だしなみを気にしだすのに対して、あまり身だしなみを気にしないまま過ごしてしまい、友達から陰口を言われたり距離を置かれてしまうことがあります。また、自分で電車に乗って通学しだす高校生になると、友達が言うことを素直に信じて授業をさぼりがちになってしまったり、自分の希望進路ではなかったために欠席しがちになってしまったりとライフスキルが不足していると学生生活に支障が出てきます。ライフスキルを小さい時から育てていくことで、このようなトラブルを回避することが出来ます。

15歳という区切りは中学校を卒業し高校へ進学する時期に差し掛かります。多くの人は地元の中学校に通いますが、高校となると電車に乗って県外へ通学する人も多くいます。つまり、中学生の時に比べると、高校性になると行動範囲が一気に広まっていくことがわかります。ライフスキルが不足したまま成長していしまい適切な支援を受けることが出来ないままになってしまうと、様々なトラブルから精神的に辛くなり塞ぎがちになってしまいひきこもり状態になってしまうケースもあります。

本人が主体的に自分の生活をしっかりと管理することが出来るライフスキルを身に着けていくには、発達障害の子は自分で自然と習得することは難しくなるので15歳までのまだ家族のサポートを比較的受けやすい年齢からライフスキル・トレーニングをすることが大切です。

ライフスキルを育てることで、一人で生活をしていくときに自分の生活を管理することが出来るようになったり、助けてほしい時に周りの人に『助けてほしい』『手伝ってほしい』と伝えることが出来るようになります。

誰しも自分ひとりで全て生活していくことは難しいです。特に発達障害の子の場合にはその特性から難しい場面が多くありますので、助けてほしい時に助けてと伝えることが出来るように、15歳になるまでにライフスキルトレーニングを始めていくことが望ましいです。

 

3、ライフスキルが不足することが将来に与える影響は?

小学校や中学校では地元の学校であったり、家族のサポートが受けやすくなりますが、高校に進学すると通学も電車になることが多く、また自分でもアルバイトをしたりとお金を好きに使うことも出来るようになります。友達関係でも一緒に買い物をしたりご飯を食べに行ったりと、お金の管理も自分である程度していかなければなりません。ライフスキルで金銭感覚が育っていないと友達と金銭問題が出てきてしまうことも考えられますし、社会人になった時や一人暮らしをしだした時に自分で管理が出来なくなり借金などの問題に発展する可能性もあります。

このように、ライフスキルがトレーニングされていないと、様々なトラブルが原因で、ニートやスナップと言われるひきこもり状態になるきっかけになってしまうこともあります。ライフスキルは一見何もしなくても自然に培うように見えますが、発達障害の子の場合には自然に身に着けることは難しいので家族や周囲の大人が主体となってトレーニングをしていき協力していくことが大切です。

 

4、まとめ

ソーシャルスキルに対してあまり重要に感じられないことが多いライフスキル。ライフスキルが十分に成長していないと、社会人や大学生になった時に金銭面や自立した生活を送ることが出来ずに大きなトラブルに発展してしまうことがあります。行動範囲が広がる15歳までにライフスキルトレーニングをすることで、自分で考えて行動する力や困った時に周りに助けを求めるようになることが出来ます。

ライフスキル・トレーニングを行うためには、家族や学校、親族など周囲の大人のサポートや協力が必要不可欠ですので、まずは障害について理解しトレーニングをスタートしていきましょう。

児童発達支援管理責任者 本多 研治

この記事を書いた人
児童発達支援管理責任者 本多 研治

日本社会事業大学 社会福祉学部 卒業後、飲食店の店長や放課後等デイサービス事業所に保育士として勤務。
ドットライングループ入社後は児童発達支援・放課後等デイサービス かがやきのまちの立ち上げを経験。現在は障がい者グループホーム みんなのまち、就労移行支援・自立訓練 はじまりのまち、就労継続支援B型 ゆうきのまち、企業主導型保育園 みらいのまちなど、障害福祉・保育事業を管掌。

【資格】
社会福祉士、保育士、児童発達支援管理責任者、食品衛生責任者

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