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発達障害の教科書TEXTBOOK

身だしなみや体調管理を行うためのライフスキル・トレーニング

1.発達障害がある子は身だしなみや体調管理を怠りやすい

幼稚園や小学校の時は親や周りの大人が服を選んでくれたり、整えてくれていたので気にしないことが多いですが、中学校あたりから多くの子供達は身だしなみに気を遣うようになります。自分の好みの服を選んだり、髪型を

おしゃれなものにしたり、寝ぐせをなおして登校したり…自分をよく見せるために多くの努力をします。しかし、発達障害がある子は身だしなみに無頓着なことが多く寝ぐせのままであったり、シャツを出したままや汚れていても気にしないなど人目を気にしないことが多くあります。周囲が注意をしてもあまり効果がないことも多いですが、自分でどんな服を選んだら良いか、TPOに合わせて服装を選ぶことが出来ないケースがあります。身だしなみは周囲からの印象が付けられやすいので『いつもだらしない人』と思われる可能性もあります。

また、体調管理も同様で風邪であるにも関わらず、学校や会社を休まなかったりと自分で管理することが出来にくくなります。病院へ行っても症状を説明することが出来ないために行きたくない、風邪をひいた時に病院へ行くことがわかっていないこともあります。自分の体調を把握するということの大切さを伝えていくと共に体調管理を自ら行うことを教えていく必要があります。

身だしなみや体調管理を行うことは、社会に出たに自己管理が出来ていないというイメージを持たれやすいので、小さい時からこれらのライフスキル・トレーニングを行っていくことが重要です。

2、身だしなみを整えるためのサポート・トレーニング

衣食住のライフスキルの中で、『身だしなみ』のライフスキルが不足している人の多くは周りの人から『清潔感』がないと思われがちです。髪がとかれることなくボサボサのままであったり、しわだらけの服を着ていたり、天気や天候によって服装を変えるのが苦手であることから、常識的な清潔感がないケースがあります。

発達障害の人にとって身だしなみが苦手とする背景は、身だしなみの正解が具体的ではなく曖昧になっているためです。この天気であればこの服、というように決められた明確な答えがないので『暖かいけれど、風が強いから肌寒く感じるので暖かい服を着よう』などと臨機応変に対応することが難しくなるのです。

他にも服や髪形を整える手順がわからなかったり、不器用であるので苦手意識がある、自分が清潔感があるように感じていても確認が不足していたり、社会性が育っていないために服装が自由になった時に何を着ればよいのかわからなかったりと原因は様々です。しかし、どんな原因であっても常識的な身だしなみのスキルがなければ、将来社会に出た時に苦労してしまったり、失敗を多くしてしまいます。その失敗経験や苦労を少しでも減らしていくために、ライフスキル・トレーニングを行っていくことが大切です。

身だしなみを整えるためのサポート・トレーニングとしては、まず身だしなみの正解を表やマニュアルにして可視化しましょう。発達障害の子どもは応用することが苦手ですので、いろいろな気温や場所に応じた服装から、実際に着替えの手順や方法などを細かく記載していくと判断しやすくなります。

その子一人ひとりによって苦手とする行動がありますので、その場合には周りの人や親がサポートしていくことも大切です。発達障害の子の場合、成長していくにつれて出来るようになるだろうとただ待っていても上達しないことがあります。着替えの手順や服装の選び方など、自分で判断出来るようになるまで待つのではなく、まずは明確に示していくことで理解に繋がっていきます。

 

■身だしなみトレーニング・サポートの例

①着替える部屋や場所を決める

どの部屋でも着替えてよいとするよりも、この部屋は着替える部屋と決めていく方が、発達障害の子にとっては習得しやすくなります。リビングなどではテレビやおもちゃなどがあり集中しずらいこともありますので、脱衣所や自分の部屋にしておくと、外出先でも人目がある場所で着替えてしまうトラブルを回避しやすくなります。また、脱衣所や自分の部屋に着替えの手順を書いた紙を貼っておくと自分で確認しやすくなります。

 

②着替える時間やタイミングも明確に

私たちは自分の好きなタイミングで服を着替えていきますが、発達障害の子にとって好きなタイミングはとても曖昧です。本人の好きなタイミングに任せていると、そのまま着替えないまま過ごしてしまうこともあります。

発達障害がある子にはいつ着替えたら良いのかわからないことがありますので、朝は『ごはんを食べた後』や『歯磨きをした後』などと作業の順番で伝えていくとよいでしょう。

 

③衣服の選び方はルールとして決めていこう

夏は半袖、冬は長袖というのはわかっていても、秋なのに暑い日はどうすれば良いのか判断が難しい場合には、気温をルールにしていくと良いでしょう。25度以上だと半袖、などと明確にしていくとわかりやすくなります。

天気が雨だと1枚パーカーを持っていくというように、天気などもルールに加えていくと天気予報を見ながら自分で判断出来るようになります。

一人暮らしをした時に衣替えは自分で行っていかないといけないので、トレーニングの時にもまずは予め季節ごとに衣服をまとめて置き、一緒に衣替えをしていきましょう。中学生になった時くらいから、徐々に自分で衣替えの服を選ぶ方法やまとめていくようにサポートしていくと、一人暮らしをした時に整理整頓を行いやすくなります。

 

④チェック表で最終確認を

服を着替えることが出来るようになっても、服がしわしわになっていたり、服のすそが出ているとだらしなく見えてしまいます。髪型も同様で、ボサボサのままだと服をちゃんとしていても印象はあまりよくありません。ですので、身だしなみの最終確認をするためにチェック表を作っておくと、自分で確認をすることが出来ます。確認が出来るようになれば、特にミスが多い場所にしぼっていきましょう。

このように、場所や時間、天気や気温などをはっきりと決めてあげることで、自分で判断して身だしなみを整えることが出来るようになっていきます。発達障害の子にとって急に応用して身だしなみを整えていくことは難しい場合があるので、まずは基本をマスター出来るように行動を可視化していったり、サポートして工夫していくことが大切です。

 

3、健康管理を行えるようになるためのサポート・トレーニング

社会人になった時にトラブルになりやすいのが健康管理です。体調が悪くなることは自己管理がなっていないと一括されてしまうことが多いので、小さい時から自分の体調と相談して行動を制限出来るようにしていくことが重要です。

発達障害の子は体調不良になった場合でも登校したり、病院に行かないままの事が良くあります。単に我慢しているということではなく、病気に対して無自覚であったり、痛みや症状を上手く説明できないという苦手意識があるので病院へ行くのを嫌がったりするために症状が悪化してしまいます。

体調が悪い時はインフルエンザなどの感染症の可能性もあるので、自分で判断し仕事や学校を休んで病院へいくということもライフスキルとして大切です。では、体調不良の時のライフスキル・トレーニングはどのようにすればよいでしょうか?

体調が悪い時には自分で判断するのではなく、体温計や症状によって病院へいくかを判断できるように明確に決めておくと良いでしょう。熱が37、5度以上であれば病院へいくなど、わかりやすくしていくことで将来自分で体調管理を行えるようになります。健康管理を習得していくときに、どのようにすれば病気の予防が出来るかということも一緒に教えていきましょう。

 

■病気の場合のライフスキル・トレーニング方法例

 

①毎日体温測定などを行うようにする

朝の決まった時間や行動の後(起きてすぐ、等)に検温をするようにします。体温計の使い方から熱が何度だったかを親に伝えていくようにまずは教えていきましょう。基本をマスター出来るようになったら、自分で紙に体温を書いていくようにすると、一人暮らしをした時に体調について把握しやすくなります。

 

②体調によって病院へいく基準を明確にしておく

『体温が37,5度以上であれば休み病院へ行く』や『下痢の時は病院へ行く』と客観的で明確な基準を示しておき、病院後は医師の指示を従うようにしましょう。症状の説明については、小さい時は親が一緒に行って症状について説明するサポートを行っていくようにします。日ごろから疲れや痛みなどについて会話の中から説明するスキルを培っておくと良いでしょう。また、かかりつけ医があると、その子の特性を理解してくれているので、明確な指示をしてくれるようになります。

 

③基本的生活習慣も合わせて伝えていく

体調を崩さないためにも基本的生活習慣を身につけていくことも大切です。手洗い、うがいなど健康法を教えていくことで、体調不良にならないために自分で予防する能力が身につきます。

 

自分の体調を自分で判断することは、マナーとしても大切になります。特に感染を広げてしまうインフルエンザなどの病気の場合には、周りに多大な迷惑をかけてしまう恐れがありますので、小さい時から健康についてはライフスキル・トレーニングをしていくことがおすすめです。症状の伝え方は曖昧になっていると難しくなりますが、毎日親子の会話の中でどこが痛かったか、おなかの調子はどうだったか等を伝えられるように教えていきましょう。親が子供の体調を見落とさないスキルを持つことも大切です。

健康管理のライフスキルとなると体調不良の場合だけでなく、食生活も非常に大切です。食生活は体を作っていく上で重要な役割がありますので、バランスの良い食事を心掛けていきたいです。しかし、発達障害の子どもは考え方や感じ方に偏りがある場合がありますので、偏食が強い子も多いです。パンしか食べないといった特定の食べ物のみしか食べないという子もおり、栄養バランスが崩れてしまうことがあります。また衝動的に食べてしまい、体重が増加していってしまったり体調を崩す原因になることも多くあるので、小さい時からトレーニングをしていきましょう。

また、発達障害の子どもは考え方に偏りがあるために、本当は食べられるのにメニューを選ぶ形式にすると食べられる物が増えていくことがあります。偏りがあったためにこれしか食べないと考えていただけということもありますので、医師や専門家に相談して特性を理解することも大切です。

衝動的に食べてしまう子の場合には、時間や回数を可視化していき食べる時間、食べない時間をはっきりとわかるようにしましょう。それと共に、体重も毎日測り食事との関係を一緒に復習することで、自分は食べすぎていたのだと判断出来るようになります。

健康管理のライフスキルをあげることは、長い間楽しく充実した安定した生活を送るためには必須ですので、小さい頃からトレーニングやサポートを行っていきましょう。

 

4、まとめ

私たちは自然と自分で身だしなみを整えることを覚えていったり、体調管理を自分で行えるようになっていきますが、発達障害の子にとっては自然に覚えていくことが安易ではありません。この場合も得手不得手がありますので、発達障害があるからといって必ずしも身だしなみや体調管理が出来ないということはないので注意しましょう。あくまでも苦手な場合があるので、そういった子の場合には小さいときからライフスキル・トレーニングを行っていくことが大切です。

社会に出た時に身だしなみや体調管理は大きな印象に繋がります。小さい時からトレーニングやサポートを行っていくことで、徐々にライフスキルとして習得出来るようになりますので、苦手な場合にはトレーニングを行っていくようにしましょう。

社会福祉士・保育士 垣本祐作

この記事を書いた人
社会福祉士・保育士 垣本祐作

【所属】
株式会社ドットライン 代表取締役兼ドットライングループCEO
一般社団法人 全国介護事業者連盟 千葉県支部 支部長/関東支部 副支部長
一般社団法人 サービス管理責任者協会 理事
社会福祉法人 和心会 理事

【資格】
社会福祉士、保育士、児童発達支援管理責任者、介護福祉士、サービス管理責任者、宅地建物取引主任者、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具専門相談員

【略歴】
千葉市立稲毛高校、日本社会事業大学 社会福祉学部卒。慶應義塾大学法学部(通信課程)学士入学。
パソナグループ 株式会社ベネフィットワン(東証一部上場)にて、法人営業部として勤務後、ボートレーサー(競艇選手)試験に合格し、ボートレーサー養成所(108期養成員)入所。
退所後、起業。日本初のボートレーサー試験予備校を設立し、合格者8割以上のシェア達成。マーケティング事業等を経て、2011年 株式会社ドットライン創業。2014年より医療・介護・福祉・保育事業開始。

【メディア実績】
日本経済新聞、日経BizGate、千葉テレビ、産経新聞、東京新聞、高齢者住宅新聞など多数

>>垣本祐作プロフィールとメッセージを読む

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