激しい自傷行為や他傷、破壊行動などが頻繁にみられたら、もしかしたら強度行動障害かもしれません。強度行動障害は発達障害の一種で、その激しい行動から1989年に名付けられました。他の障害と合わせて起きていることも多いので、早期発見をし、家庭のみの療育ではなくしっかりと多くの支援施設と連携を図ることが大切です。では、強度行動障害かもしれないと感じた場合にはまずはチェックリストで特徴を確認してみましょう。
1、強度行動障害かもしれないと思ったらチェックしよう
②身体に肉が見えるくらいの傷を作ってしまう。
③噛みつく年齢ではないのにも関わらず、人に噛みついたり蹴ったり、殴ったりする。
④頭突きや髪をひきちぎろうとしたり、相手が怪我をしかねないようなことをする。
⑤こちらの指示を伝えても頑なに拒み、自分の意見を通そうとする強いこだわりがある。
⑥ガラスやドア、家具などを何度も壊してしまう。
⑦着ている服や眼鏡なども壊したり、引き裂いてしまうので本人にも危害が生じてしまう可能性がある。
⑧昼夜が逆転してしまったり、眠りがとても浅く何度も目が覚めてしまう。
⑨強い睡眠不足から自分や周囲の人にあたってしまう。
⑩食事中に急にテーブルをひっくりかえしたり、食器を投げつけてしまい一緒に食事をとることが難しい。
⑪便や釘など、本来は食べてはいけないものを食べてしまう。
⑫拒食や異常な偏食など、食事へのこだわりが強く、体に異常をきたす危険がある。
⑬脅迫的に排泄行為を繰り返し行ってしまう。
⑭便や尿などを投げたり、手で執拗に触ったりする。
⑮急に道路へ飛び出してしまったり、信号を待つことが出来ないなど著しい多動がある。
⑯目を離すとすぐに走っていってしまったり、高いところから飛び降りようとする。
⑰周りが驚くくらいの大声を急に出す。
⑱泣き出すと何時間も大きな声で泣くなど、著しい騒がしさがある。
⑲小さな不満や、叱責に対して爆発的な行動(自傷行為や破壊行為、他傷など)を起こしてしまう。
⑳これらの行動が頻繁に起こる。
強度行動障害は激しい行動が見られるのが最も大きな特徴です。今回チェックリストにある行動はどの行動も、一般的にはあまり見られない行動になりますので、どれか1つでも当てはまる場合には、専門的な施設や医療機関に相談しましょう。
2、まとめ
強度行動障害は、自閉症スペクトラムや知的障害などの障害と合わせてなっている人が多く、障害の理解の欠乏や環境のミスマッチが強度行動障害を加速させていると言われています。強度行動障害は、ADHDやアスペルガー症候群などの発達障害のように、自分で気が付いて医療機関や専門機関を受診することはまず出来ません。周囲の人が、強度行動障害かもしれないと感じ受診しなければ、いっこうに激しい行動が治まることも、理解を得ることも出来ません。
強度行動障害は、周囲が辛いことはもちろんのこと、行動を起こしている本人もとても辛いということを理解しなければなりません。自分の中で消化できないもどかしさを行動に置き換えているので、周囲の環境や障害について周りがしっかりと理解し、支援していくことが大切です。
強度行動障害は行動によっては、周りの人や自分にも危害が及ぶ可能性があるので、家庭での療育ではなく専門的な施設と医療機関、家庭の3つでしっかりと連携をはかっていくことで、落ち着いていくことが出来ます。
もしも、周囲に上記のような行動を起こしている、または頻繁におこっている場合にはチェックリストで確認した上で、専門的な施設や医療機関を受診するようにしましょう。早期発見が理解と激しい行動の緩和へ繋がっていきます。