文字がスラスラ書くことが出来ない、簡単な計算でも間違ってしまう、話をうまく要約することが出来ない…こういった特徴があれば、限局性学習障害(LD)かもしれません。発達障害の中でも、知的な遅れはないものの、ある特定の分野だけ極度に苦手なものがあることを限局性学習障害(LD)と言います。
限局性学習障害(LD)は、早期発見することで多くのことから子供を守ることが出来ると共に、周囲への理解を得ることが出来ます。もしも、限局性学習障害(LD)かもしれないと感じたら、まずはチェックリストで特徴を確認してみましょう。
1、限局性学習障害(LD)のチェックリスト
【読字障害(ディスレクシア)】
②文章を読んですぐにストーリーを理解したり意味を解読することが難しい。
③文字や漢字を書くときに他の人よりも時間がかかる。
④話言葉を文字に起こすことに時間がかかる。
⑤文字を書き写すことが困難になる。
⑥適切な速さで話すことが難しく、異常に遅かったり早口だったりする。
⑦周囲の人が話している内容についていくことが出来ない。
⑧1対1だと話を聞き取りやすいが、集団での話(教室で先生と生徒等)になると聞き取ることが出来ない。
⑨自分が話したい内容を相手に伝えることが苦手。
⑩短い文章でしか話すことが難しく、内容がまとまらない。
【書字障害】
②簡単な正しい漢字を間違えてしまう。(いぬを太と書いてしまう等、点の場所を何度も間違える)
③『ね』『わ』『れ』や『め』『ぬ』などの区別がつきにくい。
④話している時は出来ているのに、文章に書きだすと句読点や助詞を正しく使うことが出来ない。
⑤年齢に適した漢字や文章を書くことが出来ない。
⑥文字の大きさがバラバラであったり、線やマス目から大きくはみ出てしまう。
【算数障害】
②数の大小を間違えることが多い。
③数の小さい計算であっても、頭の中ですることに時間がかかる。
④1桁の計算でも手や指を使って計算しなければ出来ない。
⑤三千五十と書かれているものを数字に置き換えられない(3050を350などと書いてしまう)
⑥答えを導き出すのにいくつかの公式を使わないと出来ない計算が出来ない。
⑦年齢相応の量の比較や単位を理解しづらい。(1mは100cmと置き換えられない)
⑧二等辺三角形等の図形の模写をすることが難しい。
⑨文章問題を解くことが出来なかったり、自分の学年よりもかなり下の学年の問題しか出来ない。
⑩展開図を頭の中で作り描くことが出来ない。
限局性学習障害(LD)は、勉強全てを苦手とするのではなく、ある特定の事のみ苦手になります。チェックリストを確認した上で、複数の項目にチェックが入る場合には、一度医療機関や発達障害支援施設へ相談に行ってみましょう。
2、まとめ
学習障害は年齢が小さい時には、誰しもが間違えたり理解しにくいことですので、小学校に入っても発達障害と気が付くことが出来ずに見過ごされてしまうことがあります。特に、書字障害などであれば『丁寧に書けない』と両親や教師も思い込んでしまうことが多くあります。
また、勉強が出来ないことや何度説明しても理解出来ないことを、叱責されることが多くそこから『自分は勉強が出来ないんだ』『どうせ頑張っても出来ない』と意欲自体を喪失してしまい、学校へ行かなくなってしまったり、自尊心が低下してしまう二次障害の危険もあります。
学習障害はあくまでも障害ですので、障害の早期発見を行うことと、どうやっても理解しづらいことがあるということを周囲が理解することが大切です。今回のチェック表を用いて、自分の症状と照らし合わせて確認してみると同時に、子供達の小さなサインを見逃さないことが最も重要です。